”お茶”と一口に言っても、緑茶、ウーロン茶、紅茶etc・・・たくさんあります。
その原料は?と言えば、もちろん、”お茶の葉”であります。
では、”緑茶の木、ウーロン茶の木、紅茶の木”なんていうのがあるのか?
答えは「なし」。
意外なことに、これらはみんな同じお茶の木からできてるんです。では、なにが違うのか。答えは・・・・・
発酵するか、しないか。
また、どの程度、発酵させるかによって変わってきます。
もともとは全部同じツバキ科の常緑樹で、醗酵のしかたで紅茶になったり緑茶になったりするんです。
 


紅茶の種類

●緑   茶
  発酵しないお茶。摘んだ葉をすぐ蒸したり炒ったりすることにより、酸化が止められる。

紅   茶  醗酵したお茶。酵素が酸化(空気にふれること)により発酵する。

烏龍茶   班発酵のお茶。 緑茶と紅茶の中間。簡単に言うと、摘んだ葉をそのまま放置しておけば、空気にふれて紅茶になると言うこと。

専門用語で言えば萎凋(しおらせる) → 揉捻(発酵しやすくするため十分揉む) → 発酵 →乾燥 となります。

 
お茶は中国の雲南省が原産です。
現在は、スリランカ、インド、中国、日本をはじめ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも作られています。
北限はグルジア(旧ソ連)。イギリス、フランスなど北緯40度以上の国にはお茶の木はありません。
よって、イギリス産紅茶、フランス産紅茶などというのはありえません。
アルションの紅茶はフランスでブレンドされた直輸入紅茶であり、フランス産紅茶ではないのです。
茶葉は茶畑で摘まれます。 日本では、もうほとんど機械で摘まれていますが、インドやスリランカではまだまだ手で摘まれていることが多いようです。  
芯芽と若葉にはそれぞれテアニン、カフェインという成分が含まれており、紅茶の味を形成する上で大切な成分となっています。

テアニン    
芯芽に含まれています。旨みの成分です。
カフェイン   若葉に含まれています。苦味の成分です。
   

紅茶葉の中にまれに白っぽい葉や黄色っぽい葉が入っていることがあります。 これらはゴールデンチップ、シルバーチップと呼ばれ、旨み成分の詰まっている芯芽の部分です。一般的にゴールデンチップやシルバーチップが入っているお茶は良質とされています。中国ではこのゴールデンチップばかりを集めたお茶を銀針百毫と言い、不老長寿のくすりとして古くから重宝していたと言います。  

紅茶のグレード
紅茶の等級(グレード)は、一般には品質のよしあしではなく、紅茶の大きさや形状によって決められます。  
大きく分けると、

●葉をカットしていないホールフリー  

●カットしたブロークン  

●細かい粉茶のファニング&ダスト  の3つになります。  

それが更に細かく分類されていますので、主なものをご紹介します。
ちなみに、オレンジペコとは、本来、お茶の新芽の次の葉を示す言葉です。  

FOP(フラワリーオレンジペコ)   若い芽の芯芽の産毛の多いもので、最上級品とされている
OP (オレンジペコ)   若い芽、若い葉で作られたもの細形できれいにカールした芯芽を多く含んでいる   
BOP(ブロークンオレンジペコ)   オレンジペコを細かく砕いたもの

単純には大きい葉の紅茶はおおむね上等で安心という事。
 
しかし注意してください。
セイロン(スリランカ)の紅茶は、茶葉の大きさよりも、収穫された場所のほうが上等度をはかるのに大切らしい。
収穫地の標高が高ければ高いほど、その紅茶葉は上等だと言われています。なぜなら高いところの方が渋みが繊細だからというわけです。これは現地スリランカ人よりのお話。  

 


アルションのティーブレンダー オリビエ・スカラ氏

アルションの紅茶はすべてフランスのジョージ・キャノン社から輸入しています。
ジョージ・キャノン社の社長オリビエ・スカラ氏は、ティーブレンダーでもあり、
アルションの紅茶はすべて彼の手でブレンドされています。

オリビエさんの会社、ジョージ・キャノン社がフレーバーティーを扱い始めたのは約30年前。
いろいろなフレーバーのアイスクリームを食べて、そのおいしさにこれを紅茶でもできないだろうかと思ったのがきっかけだそう。
当時はフランスでもフレーバーティーを扱う会社はわずかで、ジョージ・キャノンも香りをつけないナチュラルティーしか取り扱っていませんでした。
4代目のオリビエさんが始めたときには、お父さんの大反対を受け、おおもめにもめたそうです。
そんな代々続く会社も息子さんが跡を継いでくれるかどうかわからない、と寂しそうに話してくれました。
「オリビエさんにとって、お茶とは?」の問いに、「よき連れです」との答え。
表情やしぐさから、お茶に対する愛情が聞いている私たちにもびんびん感じられました。


オリビエさん語録
●砂糖はいれずに飲んでほしい。茶葉本来の味、香りが砂糖を入れると弱くなってしまう。入れるにしてもティースプーン1/3ほどが適量。しかし、テベールマントやカラメルは砂糖を入れることによって香り・味に相乗効果がうまれより引き立つ。

●お茶を飲むということは、お茶を味わうだけでは無く、お茶を飲むという優雅な行為、ゆったりと流れる時間を同時に楽しむということ。
日本には伝統の『茶の湯』がありお茶へのこだわりはもちろんのこと、それを入れる茶碗、雰囲気を演出する掛け軸、茶室のこだわりも素晴らしい.。

●毎日たくさんの紅茶をブレンドしています。
プロの紅茶のティスティングの仕方をお教えしましょう。
まずは紅茶葉の香りを嗅ぎ、指でさわってみましょう。出がらしの茶葉の香りも嗅いでみてください。
次に淹れたお茶をティースプーンで口に含みます。
行儀が悪いですが、ずずっと勢いよく、音をたててすすってください。上あごのあたりで口に含んで味わってください。
ワインのティスティングと同じです。

●封を開けた紅茶はできるだけ早く飲んでください。
紅茶は1時間でキッチンの臭いを吸収してしまいます。
苦労してつけたフレーバーより簡単に吸い込んでしまうのです。


●ティーパフュームとは?
香りにうるさいフランス人の手によってティーパフュームは生まれました。
ヨーロッパでは砂糖を使わない料理が多く、その代わり、食後のデザートでは生クリームやバター、砂糖をたっぷり使ったものを食べます。
そのあとに香りの紅茶ティーパフュームで口の中をさっぱりさせ、心地よい香りの余韻を楽しみます。

香りとしては、果物や花、スパイス、それらをミックスしたものなど多種多様。
自然の香りをブレンドした紅茶で、1杯目は香りを楽しみ、2杯目は味を楽しめる、爽やかな飲み心地で、心を和ませてくれるお茶です。

最近では、香りのエッセンスだけでも、手に入ります。普通の紅茶を入れたあとに一滴、気に入った香りを落とせば、オリジナルのティーパフュームを楽しむことができます。

●アルションのティーパフューム
基になる原茶は、インド、中国、スリランカの厳選されたものが中心。
香りは南仏ニース近くのGRASSE(グラス)産の天然香料オイルを使用しています。
GRASSEという街は、香水の原料を作ることで有名な街。
フランスの有名ブランドメーカーはたいていここの原料を使用して、香水を製造しているとのこと。
余談ですが、ヨーロッパの香水発祥の地って、ドイツのケルンなんだそうです。
オーデコロンのコロンはケルンのことで、フランス語でケルンの水という意味です。
さて、いよいよ紅茶と香料のブランドです。
アルションの紅茶は、フランス紅茶委員会の会長もつとめるオリビエ・スカラ氏の手によって、パリ郊外でブレンドされています。
彼のティーパフュームの特徴は、天然香料の自然の心地良い香りのなかにもしっかりと原茶の紅茶の味が生かされているということ。
香りと味のバランスが絶妙なのです。
スカラ氏、現在は、緑茶ベースのパフュームティーに挑戦されているそうです。

 

 

 

紅茶の淹れ方【1】 ポット式
■材料(人前)
お気に入りの紅茶葉 4g
    (ティースプーン山盛り1杯)
沸騰したお湯 300cc

 

●作り方

@空気を含んだ組み立ての水道水(できれば浄水器を通した水)を、100円玉くらいの大きさの泡がボコボコ出るくらいまで沸騰させる。
Aポットとカップはあらかじめ温めておく。
Bポットに茶葉を入れ、よく沸騰したお湯を上のほうから一気にそそぐ。
C茶葉がポットの中で上下にジャンピングしながら開くのを待つ。
(大きな葉なら3分以上)
D温めたカップに茶漉しを使って茶葉を漉す。
ミルクを入れるときは常温のものを。冷たすぎるミルクは紅茶の温度がさがりすぎるので注意。

 

●ポイント

茶葉は必ず水から入れてください。
紅茶の味と香りを引き出すためには空気をたくさん含んだ水が必要です。
ペットボトルの水はいわば汲み置きの水、空気は抜けてしまっています。
汲み立ての水道水は空気がたくさん含まれているのでおすすめです。
気になる塩素は沸騰させることで除去できます。
より良いのは浄水器を通した水を使うことでしょう。

 

 
紅茶の淹れ方【2】 ミルクティー
■材料(約10杯分)
水(水道水) 1.5リットル
牛乳 1リットル
カラメル 40g

 

●作り方

@鍋に水道水1.5リットルとカラメルの茶葉40gを入れ、沸騰するまで強火にかける。
A沸騰したら中火にして3分間。
B3分たったら弱火にし、牛乳1リットルを加え、25分間炊き続ける。
C別の容器に茶漉しで茶葉を漉しながら移す。
 アイスにする場合は粗熱をとってから冷蔵庫に入れてください。
   

●ポイント

茶葉は必ず水道水で水から入れてください。
紅茶の味と香りを引き出すためには空気をたくさん含んだ水が必要です。

 

 
紅茶の淹れ方【3】 アイスティー
■材料(4人前)
渋みの少ない茶葉 8g
   (ティースプーン山盛り2杯)
沸騰したお湯 300cc
氷(できればクラッシュアイス)

 

作り方

@あらかじめ温めておいたティーポットに茶葉を入れる。
茶葉は渋みの少ないアールグレイなどがおすすめ。
A水道水、または浄水器を通した水を十分沸騰させ、高い位置からポットにそそぐ。
B3分間蒸らす。
C別の耐熱ポットに茶漉しで茶葉を漉しながら移し、目一杯氷を入れたグラスに一気にそそぐ。

ポイント

葉に含まれるタンニンが結晶化し、にごることをクリームダウンといいます。
急激に冷やすことで、クリームダウンを防ぎ、澄んだきれいなアイスティーができあがります。

 


紅茶の淹れ方【4】 水出しアイスティー
■材料(6人前)
渋みの少ない茶葉 30g
    (ティースプーン山盛り7杯)
浄水器の水 1リットル

 

作り方

@茶葉を市販のお茶パックに入れておく。
茶葉は渋みの少ないアールグレイなどがおすすめ。
Aポットに浄水器を通した水を入れ、茶葉の入ったパックを入れる。
Bそのまま冷蔵庫で一昼夜(約12時間)おいておく。
C時間をおいたら、紙パックを出してできあがり。

●ポイント

火を使わないで作れるので、暑い夏にはぴったりです。

 

  


紅茶に合うお菓子 スコーン
材料(65g×6個分)■
A 薄力粉 200g
   砂糖 30g
   塩 ひとつまみ
   ベーキングパウダー 10g
B 生クリーム 60g
    牛乳 10g
1個
バター 70g

 

作り方

@A をよく混ぜ合わせ、小さく切ったバターを加えて両手でこするあわせるようにしてよくなじませます。
AB をよく溶いて@の中に入れ、粉気がなくなるまでカードで切るように混ぜ込みます。そのときに粘り気がでばないように注意してください。
B
台と手に粉をまぶし、3cmくらいの厚さに伸ばして、好きな型で抜きます。型がなくても手でだいたいの形を作ればOKです。
C冷凍庫で30から60分寝かせてあと、取り出して表面に溶き卵を塗ります。

    あらかじめ190℃に熱しておいたオーブンで15〜20分焼いてできあがり。

お好みのジャムやクリームをつけてお召し上がりください。  

●ポイント

イギリスではスコーンにクローテッドクリームをつけて食べます。クローテッドクリームは牛乳に低温の熱を加えてから冷まし、上に固まって層になったクリームをすくいとったもの。乳脂肪56%以上。

ここで紹介したのはプレーンなスコーン。
チョコチップ、レーズン、ゴマなどお好きな材料をプラスしてオリジナルスコーンを作ってください。
小麦粉の代わりにグラハム粉を使ったりバラエティはお好みしだいです。

 

  

 

 

 

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